2011年 09月 10日
9月8日 各地に大きな被害を及ぼした台風がやっと過ぎ去って、この日は気持ちの良い晴れとなりました。 そこで、渥美半島方面にヤクシマルリシジミを探しに出かけました。 目的のヤクシマルリシジミは次回ご紹介するとして、今回は、「迷蝶」を観察できたのでご紹介します。 小さなピークに陽当たりの良い小さな空間があり、そこには見たこともない大型のタテハが飛んでいました。 最初は一瞬スミナガシ?のようにも見えましたが、とにかく大型で何なのかすぐには分かりませんでした。 静止するとそれは20年くらい前の台風後に自宅付近で見たことがあるリュウキュウムラサキとわかり、テリ張り場になっているようです。 飛び方は緩やかで滑空するように飛翔し、また、元の位置に戻ってきます。 開翅すると角度により綺麗な青紫色に輝いて見えます。(持参した脚立が役立ちました) この個体の証拠写真を一通り撮影できたので、当初の目的のヤクルリを探していると驚くことに近くで別の個体を見つけました。 上の2枚とは違う個体であることは、写真でも後翅裏の白帯の有無で区別できます。 また、実際に見ると一回り小さな個体に見えました。 近づくとすぐに逃げるのですが、1回だけ広角で撮影できました。 ゆっくり飛ぶので飛翔にもチャレンジしてみましたが・・・・。日差しの有無でコントラストが強すぎます。 滑空すると横から撮っても上手く撮れないので、下から空を見上げてみました。 テリ張りの時、開翅したり閉翅したりするのでその様子を3枚続けてご覧下さい。 テリ張り中に前をカラスアゲハ、モンキアゲハが飛ぶと必ず追いかけますが、キアゲハやアゲハには反応が悪いようでした。 結局、この後翅裏に白帯が有る個体が、もう1頭飛来し一瞬絡んだところも目撃しています。 その個体は、すぐに飛び去ってしまい撮影できませんでしたが、近くで3個体が観察できたことになります。 台風12号のように西側を通過すると迷蝶が観察できる事が多いと聞きますが、3頭も一度に同じ場所に来ることがあるんでしょうか? 食草はサツマイモなどなので、夏前に飛来し一時的に発生している可能性も考えられます。 いずれにしても八重山諸島でも土着が疑われるほどですから、渥美半島で3頭は珍しいことではないでしょうか? 昨年、浜松で大発生したカバマダラのように個体数が増えたりしたら・・・・・?? 興味深いですね。
by konty33
| 2011-09-10 21:24
| タテハ類
|
Trackback
|
Comments(16)
Commented
by
yoda-1 at 2011-09-11 01:06
これは素晴らしいです。
しかも数あるリュウキュウムラサキの模様の中で、ごく綺麗なタイプですよね。 本ブログで、駆けつける人々も多いのでしょう。 飛翔画像も素晴らしく、一気に取り終えてしまった技量に脱帽です。
0
Commented
by
himeoo27 at 2011-09-11 08:01
リュウキュウムラサキは温室で見たことがあるだけで、今年の八重山諸島初遠征では遭遇することも出来ませんでした。
広角接写、開翅、飛翔ととっても充実した画像を堪能させていただきました。
Commented
by
hirax2 at 2011-09-11 09:38
おおー凄いですね。ビューティフル!ワンダフル!
リュウキュウムラサキの開翅写真の美しさで痺れさせて頂きました。 それにしても台風で同じ場所に同じ種が3頭来るのは少し考えにくいですよね。 不思議なものですね。来年はどうなるか楽しみにしてます。
Commented
by
konty33 at 2011-09-11 12:42
yodaさん この種については産地により「○○型」と分けられ多少模様が違う?くらいしか知りませんでした。
これは綺麗なタイプですか? こんなにゆっくり飛ぶ蝶なのに飛翔の成功確率は極めて低く、辛うじて写っていたものをアップしました。
Commented
by
konty33 at 2011-09-11 12:45
himeooさん 八重山諸島でも気温が低い時期は見られなくなるようですね。
それで、八重山の土着が疑われていると思いましたが・・・・・。 テリ張りしてくれていたので、飛んでも戻ってきて色々撮影できました。
Commented
by
konty33 at 2011-09-11 12:52
hiraxさん 台風で遠くから飛んできたのに意外と羽根の痛みは小さく、陽に当たり青く輝く翅表はとても綺麗でした。
約1ヶ月強で成虫になるようなので、この後秋までに数が増える可能性も考えられますね。 しかし、これらはテリ張りしてましたから全て♂ですよね。♀が着ていれば面白いのですが・・・。
Commented
by
banyan10 at 2011-09-11 19:44
リュウムラいいですね。
普通に考えると発生迷蝶のようにも思いますが、最初がフィリピン型っぽくて次が大陸型っぽいので、まとめて飛ばされて来たのでしょうかね。(^^; 雌の可能性があるなら何としても行きたいところですが、浜松の少し先ですから迷いますね。(笑)
Commented
by
konty33 at 2011-09-11 23:28
banyanさん 偶然見つけたんですが嬉しいものですね。
タイミングが台風通過の後なので・・・と思いましたが、この地で発生した個体でしょうか? 最初のがフィリピン型ですか。色々な型があるようですが、konty所有の図鑑には載ってなくて・・・。(笑) もう少し涼しくなった頃に再訪予定ですが、♀の発生とか見られたら面白いですね。
Commented
by
cactuss at 2011-09-12 06:23
Commented
by
konty33 at 2011-09-12 20:55
cactussさん 迷蝶が一度に3頭も台風で飛ばされてきたとは考えにくいでしょうか?
誰かが飼育の蝶を逃がしたとか、それが自然にサツマイモなどで育ったとか、色々なケースが考えられますね。 調査を一人でするのは無理です。地元の方々が調査してくれると良いのですが・・・。
Commented
by
maximiechan at 2011-09-12 21:28
凄すぎです。
5枚目辺りからはこの蝶がテリ張りしている八重山の脇道の雰囲気を思い出しました。
Commented
by
konty33 at 2011-09-12 23:14
maximiechanさん 八重山ではこんなイメージでしょうか?
この林に囲まれた空間では、地元のアゲハ達に溶け込んでいるように見えましたが、八重山ならシロオビアゲハやベニモンアゲハなんでしょうね。 当分先ですが定年になったら八重山にも行ってみたいです。
Commented
by
konty33 at 2011-09-13 12:46
ダンダラさん 台風の後でもあり無意識に想像していたのか前日迷蝶を見た夢を見たんです。それは青空をバックに飛んでいました。
それなのに最初に見つけたときは、一瞬なんだかわからず、木の幹に開翅し静止してはじめてわかりました。 確かにこの時びっくりしましたが、2頭目を見つけたときのほうが興奮したかもしれません。 まだまだ、暑い日が続きそうですので今後どうなるか楽しみです。
Commented
by
yoda-1 at 2011-09-13 18:38
実はそんなに詳しい訳ではなくて、図鑑には台湾由来個体であろう、明色斑の弱い個体などが掲載されています。
それに比較すると、本個体はごく鮮やかに見えます。 この個体はフィリピンかインドネシアの方から来たのですかね?? バリエーションを見るのならば、 http://www.insect-sale.com/jp/ に入って、学名のHypolimnas bolinaで検索すると、リストが出てきて、標本サンプルが見れるようです。 複数個体ということは、同じ場所にたどり着く確率も希と推測されるので、複数が台風で運ばれたのではなく、受精済の雌が飛ばされてきて、うまく産卵する場所があって、一時繁殖してのではないでしょうか? (食草はサツマイモとかなので不自由しないようだし)
Commented
by
konty33 at 2011-09-13 22:35
yodaさん 調べ方まで詳しくありがとうございます。
このサイトの写真を見てもイマイチですが、どこの模様が判断のポイントでしょうか? 白帯が入った個体は小さめでしたが、実際にも綺麗に見えました。 3頭同じ場所で見られる確率は低そうですから、一時繁殖の可能性が高そうですか。 そうだとすると、秋にかけて調査が面白そうですね。 |
アバウト
-konty気まぐれ自然紀行- 2005年頃からデジイチで蝶を中心とした自然の撮影を楽しんでいます。シーズン中の週末には一人気ままに静岡県内や近県の野山に出かけます。 by konty33 カレンダー
最新の記事
以前の記事
検索
フォロー中のブログ
てくてく写日記 フィールドノート 小畔川日記 探蝶逍遥記 ヘムレン の Natur... 蝶の玉手箱 安曇野の蝶と自然 NATURE DIARY 嗚呼っっ 今日も証拠画像... 蝶・旅の友 風任せ自由人 ヒメオオの寄り道 蝶鳥ウォッチング ぶらり探蝶記 ひらひら探検隊 NPO法人 日本チョウ類... 蝶撮日記 たかがヤマト、されどヤマト 風の翅 超蝶 徒然なるままに 自然を楽しむ みき♂の虫撮り友人帖 華蝶の夢 2022浅間暮らし 自然を楽しむ(2022~) 外部リンク
外部リンク
最新のコメント
カテゴリ
タグ
幼虫(145)
卵(144) ムラサキツバメ(61) ヤマキチョウ(59) ヤクシマルリシジミ(58) アサギマダラ(53) 蛹(48) クロコノマチョウ(44) ミズイロオナガシジミ(40) ギフチョウ(38) コツバメ(37) ウラゴマダラシジミ(35) ムラサキシジミ(35) ウラミスジシジミ(35) ミヤマカラスシジミ(34) ミヤマシジミ(34) ベニシジミ(33) クロマダラソテツシジミ(32) ヒメギフチョウ(32) ウラナミジャノメ(32) アイノミドリシジミ(30) トラフシジミ(30) キマダラモドキ(29) クロツバメシジミ(28) ウラキンシジミ(28) エゾミドリシジミ(28) スギタニルリシジミ(28) クロミドリシジミ(28) ウラナミアカシジミ(27) カラスアゲハ(27) ベニモンカラスシジミ(26) ムモンアカシジミ(25) ウラギンシジミ(25) ウラナミシジミ(24) オオヒカゲ(24) ホシミスジ(24) オナガシジミ(24) ジャコウアゲハ(24) サツマシジミ(23) ヒメヒカゲ(23) イチモンジチョウ(23) ミドリシジミ(23) ジョウザンミドリシジミ(22) スジボソヤマキチョウ(22) ミスジチョウ(22) ミヤマカラスアゲハ(22) メスアカミドリシジミ(22) アオバセセリ(22) キタテハ(21) クモマツマキチョウ(21) 記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
最新のトラックバック
ファン
|
ファン申請 |
||